2017年11月25日、東京富士大学にて遊戯史学会の第29回例会(最終回)が開催されました。

講演に先立ち、増川宏一会長より挨拶があり、多くの方が最後の例会に足を運んでくれことに対する感謝の言葉と、海外でも遊戯史の研究が盛んになっている現状が語られました。

講演では、金沢大学大学院(人間社会研究科)博士後期課程3年の五木田まきは氏により、「古代メソアメリカにおけるパトリに関する研究」が紹介されました。

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パトリはメソアメリカでかつて盛んに行われていた十字形のゲームで、マヤの遺跡や征服者であるスペインの記録にその姿が多く残されています。

続いて、遊戯史学会会員・草場純氏による「雙六手引抄による江戸時代前半までの雙双六のルールについて」が紹介されました。

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草場氏は、かつて行われていた盤双六のルールを多くの文献資料と自らのプレイ体験から紐解き、その変遷を解説しました。

講演終了後は、増川宏一会長により「遊戯史学会の30年」を締めくくる挨拶がありました。

今から30年前に遊戯史学会を立ち上げる時、日本史の熱田公先生、網野善彦先生、能狂言の第一人者である伊藤正義先生に相談した際に、遊戯史は今まで学術研究の対象でなかったので、これから日本で遊戯史学を確立しようではないかといわれ、その大志を持って設立したことと、その際に、発起人にお願いした当学会副会長の江橋崇氏より、「これは壮挙である」という言葉を贈られたことを語られました。

また、今まで在籍した延べ300名程の会員の方々や、当会理事に対する感謝の言葉が述べられ、遊戯史とは遊びを通じて人間を解明する学問であり、その実践が必要なのはいうまでもなく、その遊戯具に投影された民族性、遊具の変遷が重要な研究対象になっている。それらは何千年続いても変化するものであり、信教・民族・言語の壁を越えて伝わるものである。駒や牌の大きさやの数は一定の大きさに定着するなど、長年の研究から得られた遊戯史総論をお伝え下さいました。

そして、遊戯史学会は海外の学術団体との交流も深く、日本だけでなく海外の遊戯との比較研究も大きなテーマとしてきたので、その国際的な活動も大きな特徴で、30年間弛まず遊戯史の研究を続けてこれたことは大きな誇りであり、今後もそれぞれが遊戯史の研究を積んで発表していくであろう展開を見ると、今回の解散は可能性を残した発展的な解消であると締めくくられました。

続いて、江橋崇副会長により、増川会長の資料を読み取る力の素晴らしさと努力、情熱が語られ、今後の会員の新しい活動が増川会長の功績に対する感謝であると述べられ、最後に増川会長に対する感謝の言葉が送られました。

例会終了後は、懇親会が開かれ、多くの会員が参加して遊戯史に関する話題が尽きることなく語り続けられました。

遊戯史学会の例会・総会などの会合は、これを持ちまして終了となりますが、学会誌が発行される2018年までは会は存続することになっています。